ALD成膜の原理

ALD成膜の原理

ALD (Atomic Layer Deposition) : 原子層推積法

原子層を一層ずつ積み、薄膜を成長させる技術。1974年フィンランドのT.Suntolaによって提唱。

ALD反応モデル:反応物AxとByを使用してABを作製する場合

酸化膜形成の場合
  • a) プリカーサー供給:反応物Axを基盤と反応させる。Self-Limiting機能。
  • b) パージ:気相中に存在するAxを不活性ガスなどで除去。
  • c) 酸化剤供給:反応物ByをAxと反応させる。xyは副生成物として放出。
  • d) パージ:気相中に存在するBy、xyを不活性ガスなどで除去。原子1層分ABが生成する(1サイクル完了)。
  • e) 2サイクル分の原子層。サイクル数を制御することで膜厚制御が可能。

成膜特性

優れた段差被覆性

基板の表面反応のみを利用した自己反応停止機能による成膜法により、優れた段差被覆性を実現します。


▲ 断面SEM像
※AlOx薄膜表面にAu薄膜が付着

ALDサイクル数で原子レベルでの超精密膜厚制御が可能です。


▲ ALDサイクル数と膜厚の関係
※MPAD-40sで取得したデータ

優れた電気特性

プラズマ援用を用いることで、低温でも優れた耐電圧、リーク電流特性を達成します。

水蒸気バリア特性

CVD等と比較して、より薄い膜厚で同等のバリア性能が得られます。


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