製品情報

製造向け多層成膜用装置

AFTEX-8000シリーズ

複数の材料の多層膜が成膜可能な固体ソース ECR プラズマ成膜装置。 1つの成膜室にECRプラズマ源を2基搭載し、最大8インチ径の基板上に、均一性に優れた多層膜を形成できる全自動装置、基板に対するプラズマダメージの少ない成膜が可能です。

  • 低温プロセス
  • 高屈折率制御
  • 高速反応性成膜
  • 撤密 ・平坦膜

AFTEX-8000シリーズは、1つの成膜室に傾斜配置したECRプラズマ源を2基搭載し、高品質な光学薄膜などを最大8インチ径の基板上に均一性に優れた多層膜を形成できる、C to C枚葉式全自動多層膜形成装置です。高活性・高密度ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ源を用い、プラズマ引き出し部にターゲットを配置することによって固体ソースによるECRプラズマ成膜を実現しています。CVDのような危険なガスを用いる必要がないため排ガス処理の必要もなく、地球環境に優しい成膜技術です。

  • 成膜特性
  • 製品の特徴
  • 標準仕様
  • ECRプラズマ成膜の原理と特徴
成膜特性

固体ソースECRプラズマ成膜は、低圧で高密度のECRプラズマ流と、プラズマ流の出口に配置した固体ソース(ターゲット)からのスパッタ粒子を直接反応させるため、次の特徴的な膜質が期待できます。

高品質薄膜形成

10-30eVの低エネルギーに制御された高密度イオンの照射下で薄膜が成長するため、原子レベルの平滑性を持つ緻密・高品質な薄膜が形成されます。例えばSiO2成膜では、耐圧10MV/cm、光学消衰係数0.0001という最高水準の性能が、基板を加熱せず低温で実現できます。

さまざまな膜種による多層成膜

スパッタターゲットが製作可能なすべての固体材料を原料とすることができ、酸素や窒素などの導入ガスとの組み合わせにより、各種の化合物薄膜を容易に形成できます。例えば、固体ソースとしてSiを用いればSi、SiO2、Si3N4、Alを用いればAl2O3、AlN膜が形成されます。その他、Ta2O5、HfO2、ZrO2のほか、ITO、STO膜などの成膜に対応可能です。

低温・低ダメージ

イオンアシスト効果により、高温加熱を行うことなく酸化膜、窒化膜などの化合物薄膜を形成できるほか、低温で高い結晶性薄膜を得ることも可能です。また、イオンエネルギーが低いことから、基板に対して低ダメージでソフトな清浄効果を期待できます。

製品の特徴
  • 1つの成膜室にECRプラズマ源を2基搭載
  • C to C枚葉式全自動処理
  • (試料サイズ最大8インチ、膜厚分布±3%以下)
  • アップデポジション、フェイスダウン搬送機構
  • パソコンによる容易な操作、多彩なログ、コンフィグ機能
  • SECS/GEM、CEマーク/UL対応 (オプション)
標準仕様
項目 仕様
到達圧力 プロセスモジュール: < 3×10-5Pa
トランスファー室: < 3×10-4Pa
ロードロック室: < 3×10-4Pa
真空排気系 プロセスモジュール: ターボ分子ポンプ 1300L/sec
ドライポンプ: 600L/min
トランスファー室: TMP 820L/sec
ドライポンプ: 500L/min
ロードロック室: TMP 350L/sec
ドライポンプ: 250L/min
ロードロック室 手動扉: 1式
カセットエレベータ機構: 1式
試料検出機構:1式
トランスファー室 真空搬送ロボット:1式
試料検出機構:1式
フェイスダウン搬送方式
成膜室
基板サイズ Max. 8インチ
基板ホルダー 試料台回転、上下機構:1式
試料仮受台:1式
成膜方向 アップデポジション
基板加熱 最大300℃
ECRスバッタ源
数量 2式
プラズマ室 マイクロ波分岐結合型ECRプラズマ源、
基板ホルダーに対し傾斜配置
マグネットコイル 2分割式
ターゲット 円筒型(水冷方式)
付属機構 コイル傾斜機構
ガス導入系 マスフローコントローラ:3口x3式
ガス種:アルゴン、酸素、窒素
操作 排気、搬送、成膜はレシピ管理によるC to C全自動処理
制御系 マイクロ波電源2.45GHz、1kW:1式
マイクロ波オートチューナー:2式
コイル電源DC1 5kW:2式
スパッタ電源:13.56MHz、1kW:1式
自動RFマッチングボックス、コントローラ:1式
シーケンサー、コンピュータ:1式
設置条件
スペース 約5.7×4.3m (作業スペース含む)
電力 3相 200VAC, 35KVA
冷却水 0.3~0.4MPa, 30L/min, 4 系統
重量 約2600kg
ECRプラズマ成膜の原理と特徴

ECRプラズマ生成の原理

磁界強度87.5mT(テスラ)の磁力線の周りを回転する電子は、2.45GHzの交流電界で共振し(Electron Cyclotron Resonance、電子サイクロトロン共鳴)、エネルギーを受け取って高速回転します。このため、放電が難しい低圧でもガス分子との衝突が起こり、効率よくプラズマが発生します。

高屈折率制御

  • 無電力、低ガス圧(0.01-0.2Pa)、高密度(5-10mA/cm²)
  • 基板表面への低エネルギー(10-30eV)大電流のイオン照射効果→無加熱、低ダメージで、緻密、平滑、高品質薄膜を形成

ECR 薄膜の物性

平滑性
平滑性
原子1個レベルの僅かな凹凸。(Al2O3膜のRmax = 0.48nm @ 膜厚100nm)
硬さ
SiN膜、カーボン膜はダイヤモンド並みの硬さ。
厳密さ
図
SiN膜の弗酸耐性はPECVD膜の10倍。水分や水素に対しても高いバリア性。SiN膜の水遮断特性(SiN膜被覆で確実に阻止)
図
Al2O3膜の水素バリア特性(バルク並みのバリア性)
優れた光学特性
光学特性
高精度な屈折率制御。高い光透過性。(SiO2、SiN、AI2O3、AlN、Ta2O5、ZrO₂など)
不純物フリー
高純度ターゲットとガスを原料とし、反応生成物(H、F、CIなど)無く、高純度。
高配合性
AIN膜、MgO膜などの配向性。低抵抗TiN膜、α-Ta膜。
被膜性
低ガス圧、高イオン化率、傾斜回転成膜により、一般のスパッタよりも段差被覆性が高い。
高耐圧
バルク並みの高耐圧絶縁膜。SiO2、Al2O3膜などは10MV/cm(1000℃熱酸化膜並み)。
低損傷
図
ECR-SiO₂膜を用いたMOSキャパシタの C-V特性(無加熱ECR酸化で優れた界面特性を実現)MOSキャパシタの界面準位、界面電荷が小さい。
高誘電率
メタルモード成膜により界面酸化膜の形成を抑制。

寸法図&概念図



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